すっかり梅雨明け、元気いっぱいの太陽が全開の今日この頃。
ですがこのワインは、まだ梅雨のなごり、湿気の白く曇る空気の夜に出会いました。 Villa Jolanda / Moscato d'Asti (ヴィッラ・イォランダ モスカート ダスティ) 発泡白ワインです。 イタリア北部ピエモンテ州のアレッサンドリア、アスティ、クーネオの3県で栽培されているモスカート・ビアンコ種というぶどうから作られた、ピエモンテの典型的なデザートワイン。 モスカート・ビアンコ種は、ギリシャから伝わったと思われる品種で、広くイタリアに分布している種類だそうで、甘口ワインに仕上げられ、アロマが非常に強く独特の個性がある。 果実が甘く、『マスカット』として食用ブドウともなる・・・。 要するに、マスカットから作ったしゅわしゅわ発泡する白ワインです。 体にしとっ、と湿気がまとわりつく夜、幸せにしてくれそうなワインですよね。 しっかり冷やして、ぽん、とコルクを抜いて・・・。 そうそう、このワインは発泡性の白ワインですが、シャンパンのような強い発泡性のものではない、いわゆる『微発泡』。 ですからシャンパン用のコルクじゃなくて、普通のコルク栓を使用しているのです。 香りは、香水のかおりの説明によく使われる『ウッド系』とでもいいましょうか、予想よりずいぶんナチュラルな木のかおりで、少しびっくり。 マスカットのお酒ですから、あまーい、かわいい女の子たちに愛されそうな香りを予想していたのに、実際は、ショートカットの清潔感漂う女の子が森から出てきたような印象でした。 口に含んでみると、またまた予想を裏切られる味わい。 香りから予想するに、さっぱりとした甘さなのかと思いきや、しっかりと、デザートワイン。 蜜の味わい。 だけど、このワインの素敵なところは、蜂蜜のような濃厚な甘さじゃなく、さわやかに甘い。 後味は、少しラムネに似ているかな。 とてもチャーミングな甘さです。 色合いは、やわらかい麦わら色。 うつくしく輝く月の光のようでした。 今夜の月も、まさにこのワインのような色合いです。 窓を見上げれば、銀色とは違う、白金の月。 梅雨のあいだ、ずいぶん潤んだ蜂蜜色だったけれど、 今夜は、はじまったばかりの夏の夜の空気の中、 まぶしいくらいの光。 てのひらを空にむけたら、さらさらとふりそそぎ、指の間からこぼれそうな月の都からの光。 月のなみだは、今夜あふれるひかりに姿を変え、夏を連れてくる。 #
by strabacco
| 2011-07-12 23:23
| ワイン
一番初めに書くものなので、しるしになるお酒を。
せっかくの書き始めには、思い入れの強いお酒と、今日という日にゆかりのあるビールにしました。 銀河高原ビールはご存知、岩手県は沢内の地ビール。 今ではビール好きな方々の間では知らない人はいないくらいの老舗なイメージですよね。 HPはこちら http://www.gingakogenbeer.com/ 一番有名なビールは、とてもきれいな藍色のガラス瓶。 仕事でよく盛岡にお邪魔する私ですが、岩手は街並みや文化、そして何よりもそこに住む人々のこころに、優しく、美しく、そして、あたたかな中のセンスの良さを感じます。 話が早速逸れましたが、この銀河高原ビールは、ここ最近の地ビールブームよりももっと前の発生、地ビールの走りだった、と岩手の皆さんが自慢げにに話してくださいました。 もともと私はスコットランドでギネスビールを飲んでから、黒ビールファンではありますが、ペールエールは黒ビールよりも淡い琥珀の色合い。 BASSやKILKENNYに近い色ですね。 ですが、麦芽100パーセント、たくさんのホップを使っているビールですから、香りも味わいも、優しさの中にしっかりと主張が感じられます。 しかしイギリスのビールで有名なイメージのペールエールですが、この[アメリカン ペール エール]って?と、調べてみたところ、一番の特徴は、香りづけに使われている『カスケードホップ』による香りと苦みなんですって。 味わってみると、確かに! 口に含む前から、とっても豊かな香り。 変な表現かもしれないけれど、ホップという植物の強さや生命力を感じるくらいの、伸びやかで、植物が大地に生を受けて育ってきた、『素朴の強さ』を感じます。 ひとくち味わった後に、深く呼吸してみると、体じゅうに素材のいのちが感じられるような、すてきなビールでした。 未曾有の震災が起こったこの時期に、この時期だからこその、新商品。 ビールを飲み下した時に、体じゅう広がる香りの芯の強さ。 それは、多くを語らず、ただ一つこころを強くたずさえ、一歩一歩前を向いてあゆむ、東北の皆さんの強さを感じる、すばらしいビールでした。 今夜は七夕。 いつの世も、七夕伝説に人々がひきつけられるのはなぜでしょうか。 はるか高い宙の上の恋のお話。 一年に一度きりしか会えないふたり。 そのうえ、雨が降ってしまえば、二人をつなぐ『かささぎ』の橋も架からない。 ふたりの涙のような雨を、私たちは傘に、掌に受けながら、地上で恋人に会いに。 今夜は二人は会えたでしょうか。 会いたくて、会いたくて。 天の川をわたり、星々のあかりの中、一年分のおもいをふたりで分かちあえたでしょうか。 #
by strabacco
| 2011-07-07 23:53
| ビール
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